STORY 開発秘話

オーディオケーブルの開発秘話(2)
◆ オーディオケーブルが劇的に音をよくする秘密

 オーディオで「よい音を」と考えた場合、まず「最高の機材」をそろえるのが、一般的な方法です。が、その方法では限界があります。

 電気は電線を伝わって伝わります。したがってどんなにアンプや機材が良くても、伝わるケーブルがプアだと、そこでせっかくの機材の性能が台無しになります。

 そして、電気信号を、一番長い距離を伝えるのがケーブルです。

 アンプから出た電気信号がパーフェクトに伝われば、あなたの自慢のスピーカーは、すばらしい世界を構築してくれるはずです。

 しかし、アンプから出た電気信号が仮に100だったとして、ケーブルを伝わって出てきた電気信号が30とか40に減衰していたら、どんな自慢のスピーカーでも「へっぽこな音」しか出すことは出来ません。

 これは、あなたの自慢のスピーカーが「へっぽこ」だからではありません。途中のケーブルで情報がロスしてしまったからなのです。

 この様に、ケーブル1本で、あなたのオーディオライフは大きく変化することになります。

 最高の音を求めているオーディオファンの多くは、トータルコストの20%程度をケーブル類のアクセサリーに使っているほど重要なパーツなのです。

◆ 最高級のオーディオケーブルでも、最高の音が出ないと言う疑問

 aetが「高級オーディオケーブル」を世に出すきっかけになったのは、小原のある疑問からでした。

 もちろん当時から1本数万円もする「高級オーディオケーブル」は、いくつか存在していました。

 それぞれに個性たっぷりのすばらしい製品でした。

しかし、ある日「素朴な疑問」に気づいたのです。それは、「それぞれの製品は、特性は違うが、性能に大差が無い。」と言う点でした。

 なぜだろう?

 これがaetが「高級オーディオケーブル」を開発するきっかけでした。

◆ 素材と加工の両方に問題があった

 調べて見ると、答えは単純でした。「素材」と「加工」の両方に問題があることがわかったのです。

 こう言うと大変失礼かも知れませんが、当時の「高級オーディオケーブル」の多くは、「安っぽい素材」と「手抜きの技術」の寄せ集めでしかなかったのです。

 理由は2つありました

1:もともと素材も加工も高級なものがなかったから。

  そして

2:海外で加工されている為

  です。

 日本のオーディオファンが「高いお金を出すから最高のものを」とお願いしても、海外の加工業者から見ると「現実には無理難題」、でも「金銭的には割の良いアルバイト」と言う話だったのです。

 なぜなら、電線の業界は「安いのが良い」とされ、もともと素材も加工も高級なものが一般には存在していなかったのです。

 したがって「最高の素材と技術を使いました。その分、お高くなりました。」と言いながら粗悪な製品を作って納品しても通用するし、大儲けできる時代でした。当然、マージンもその分高いので、国内の販売業者も海外産の製品を積極的に扱うこともあります。

◆ この素材で作っても何も変わらない。

 「良い素材」が無い以上、他社と同じ素材と使うことになります。しかし、そのような素材で製品を作っても何も変わらない事がわかりました。

 従来とはまったく違うやり方で開発する必要が出てきたのです。そこで小原は、高級オーディオケーブルに使える「高品質の素材」と「加工ができるパートナー企業」を探す事から始めました。

 探してみると「電線に使える高品質の素材」は存在しました。大手企業が中心に工業用素材として使用していたもので、二種、一種、特殊とランク分けされていました。

 ここにルートを作り、大企業が使っている特殊素材を仕入れることが出来るようになったのが「最初の一歩」でした。

◆ 工事現場にある束のケーブルの方が良い音が出るのは事実か?

 このへんの話については、面白い話があります。以前、「オーディオ用のケーブルよりも、工業規格の電線を使ったほうが良い音が出る。」と主張したカリスマ評論家がいらっしゃいました。

 キャブタイヤ線と言う、工事現場にありそうな束の安いケーブルのことです。これが実際に、多くのオーディオケーブルより良い素材が使われています。理由は「工業規格」によって最低限の品質が保証されている為に起こった「逆転現象」でした。

 一方、オーディオケーブルには、これと言った「規格」がありません。やりたい放題の何でもありの世界です。粗悪な製品を「高級」と言って売れば、 儲けも大きくなります。オーディオケーブルの世界で「PSE規格」を守っているメーカーが少ないのは、こんな理由なのなのです。(ちなみに「PSE表示」 は、「PSE規格」ではありませんのでご注意下さい。)

◆ 最高の技術を求めて

 さて、大企業の使っている特殊素材を仕入れることが出来るようになりましたので、ここからがスタートです。

 素材がよければ、すべてがOKと言う訳ではありません。

良いケーブルとは「伝導効率が良い」事を意味します。

 100入力すると、100出してくれるのがベストなケーブルです。それが無理でも、限りなく100に近づけるのが「技術」です。

 100入力しても、途中でロスして30とか50とかしか出てこないから、「低音がどうの」とか「高音がこうの」とか、挙句に「ボリュームを上げたらひずんだ」と言う事態が起こってくるのです。

 100入力すると、100出してくれれば、ほとんどの基本的な問題は解決します。ここに、ケーブルの基礎である「高い伝導効率」を目指した小原の試行錯誤の日々が始まったのです。

◆ 「太いケーブルは音が良い」と言う信仰

 当時ケーブルは太い方が「良い音がでる」と言われていました。理由は「太い方がたくさんの電気が流せる。したがって情報量を増やせるから。」だと考えていました。

 それは部分的には正解ですが、結果としては間違っています。

 実際にロスなく電気が流れるのはケーブルの表面部分です。したがって表面積が取れる「太いケーブル」の方が「たくさんの電気が流れ、情報量を増やせる」と言うのは正解です。

 しかし、実際には大きな問題が出て来たのです。 (つづく)


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