STORY 開発秘話
- ラインケーブル開発秘話1
◆ 「アモルファス合金」を使った世界最高峰のSCRラインケーブル
ラインケーブルとしては、「SCR」「HIN」シリーズともに高い評価をいただきました。特にSCRは、世界で初めて「アモルファス合金」を使っ た製品で好評をいただいておりました。2005年くらいまで販売させていただいていた、「SCRラインケーブル2004」が一番の高級機でした。当時「ラインケーブルの限界」と言われるくらい優れたパフォーマンスと完成度を持っていたのです。
もちろん、いくつも賞を頂きました。
製品完成時は、「ベストを尽くした満足感でいっぱいでしたし、それが高い評価をいただいたので、最高にうれしかった」と小原は言います。
が、時間がたつに従い小原の中で「ベストを尽くしたつもりだったが、もっとできるんじゃないか。」と言う思いがわいて来たそうです。
具体的に「どこを改善する」とか「どういう技術で改善できる」と言う根拠のある話ではなく、ごくごく感覚的なものでした。ただ、よりいっそうの「バランスとか感応性」を追い求めようと考えていました。高級なケーブルなので、ただただ性能が良いではだめだからです。
この時、電源ケーブルやスピーカーケーブルの開発でわかってきたものがありました。「良い音」に対するデータが取れてきたのです。
当時ラインケーブルにはSCR2002があり、その後SCR2004をリリースしました。当然評価はSCR2004の方が高く、その理由は電源ケーブルHHシリーズ3.5と同じテクノロジーを採用したからでした。
◆ ラインケーブルは難しい!
ただ、ラインケーブルは電源ケーブルやスピーカーケーブルとまったく同じか? と言うとそうではありません。まったく逆の特性もあります。
それは「流れる電気の量が違う」と言う点です。
電源ケーブルは、その名の通り大量の電気が流れますが、ラインケーブルには電源ケーブルと比較するとほとんど電流が流れていません。その為、設計での個性が出すづらく、調整が非常に難しいと言う特性があります。
その為、単線を使ったケーブル設定でお茶をにごしているメーカーもあるようです。
実際問題、SCR2004を、それ以上に発展させるのが非常に困難な状況でしたが、ギブアップはしたくありませんでした。
この時、aetでは、電源ケーブルにも採用していた小経中空円筒構造を応用したテストを実施していました。実は「小経中空円筒構造」を採用しているのはaetだけではありませんでした。類似品はたくさんありました。
が、、、 インダクタスとキャパシタスが高いためモコモコになっている製品も少なくありませんでした。
◆ 同じ「小経中空円筒構造」なのに、なぜ「まったく違う音」になるのか?
その原因は「素材」と「製造技術」にありました。
例えば「小経中空円筒構造」は、コンパクトだからこそ得られる大きなメリットがあるのです。しかし単に「小経中空円筒構造」をマネするとコンパクトではなくなるので効果が出ない事も少なくありません。
絶縁材でも、オレフィンが良いと言われて、エチレン系のオレフィンを使っている会社があります。エチレン系のオレフィンは「音響不良素材」と言われています。ほぼ間違いなく低音はモアモアモコモコして、中高域は刺激的なケーブルに仕上がります。
よく調べないで「似ている」と言うだけで作ってしまうからこうなるのです。当然「似ている素材」を使いますから価格は安くなります。しかし、「似て非なるモノ」は別物です。ちゃんと試作品を作って、実際に音を確認せずに作ってしまうとこういう事が起こるのです。
例えば「芋焼酎が売れている」と聞いて、じゃがいもで芋焼酎を造るみたいな話だと小原は言います。「じゃがいも」を使って「さつまいも」を使うのと同じ方法で芋焼酎を作ると、どんな味がするのか? は、わかりませんが、「思った味」ではない可能性は高いと思います。
実際に聞いてみて「音が良いかどうか?」にこだわるのが、本来の開発だと考えます。
◆ ラインケーブル開発時の一般的な調整方法とは
「力強さがあり、さらに繊細さもある」というのがすべてのオーディオケーブルの「理想」なのです。しかし、一般的には、「音を太くし、厚くする」事に焦点を合わせて作成しています。
しかし、これでは単に「音が太っただけ」になる事が多いのです。結果として「精度と美しさ」が損なわれる事になります。流れる電力量が少ないので、力強さとダイナミズムを表現するのがむつかしいのがラインケーブルなのです。
結局、「線の太さ」を始め、すべてのバランスを自分の耳で決める事になったのです。
その結果SCRラインケーブルは、一般でも多数販売されたのですが、それ以上に録音の場でもよく使われる事になったのです。ラインケーブルはマイ クと繋いで使用されています。SCRラインケーブルが録音現場で使われているのは、実はよくある話です。これは、自慢ではなくプロの信頼性を表す事実で す。
ラインケーブルSCRでの、それまでの弊社ケーブルとの大きな差は「アモルファス合金」を使用した事です。これにより、音のバランスが大きく改善できたのです。
ちなみにaetのラインケーブルがプロの現場で使われるのには、「それなりの理由」があります。
◆ オールマイティに対応できたSCRラインケーブル
実はそれまでのラインケーブルは、「これはジャズ向け」とか、「クラッシック向け」、「ギター向け」、「ベース向き」と言うようにジャンルやパー ト別に使い分けていました。その為に、何かやる毎にケーブルを差し替える事になりました。セッティングがメチャメチャ大変だったのです。
また、マイクやイコライザーの調整も非常に難しい状況でした。一曲一曲のバランスを整えるのに3日とか、一週間とかの時間が必要でした。
さらに「信頼性の問題」もありました。ハンダの回でも解説しましたが、「断線率7%」が日常だとと言われていました。何百本もケーブルを使うライブや録音では、トラブルだらけでした。
ステージ1回事にケーブル総取っ替えするミュージシャンも、実際に存在しました。
これでは自由な演奏活動が阻害されてこまる。
何とかならないか?
そう言われて、電源ケーブルのノウハウを基に開発されたのがaetラインケーブルだったのです。
その結果、エンジニアやミュージシャンの負担が大幅に減ったのです。aetラインケーブルは、このようなニーズに応える為に開発されたので、最初からサウンドバランスを整えてあります。その結果、
つなぐだけガンガン鳴る。
微調整がいらない。
好きなように音作りができる。
レコーディングが楽しくなる。
思ったような設定になる。
と言う評価を得る事が出来たのです。
aetラインケーブルは、他のケーブルと同様に「フルバンド、フルレンジを上から下まですべて全部出す」と言う設定を行っています。
なので、カーステレオとかホームオーディオでもaetラインケーブルを使うと、上記と同じ効果を出せると考えています。
他社製を使ったら「低域がでなくなった」と言うような話がありますが、これは上記の「素材」のミスが大きく起因しています。マニアックな都市伝説的な知識で、音響に向かない素材をつかっている為に起こっている事なのです。