STORY 開発秘話

開発秘話 番外編 プラグ開発奮闘編(2)
 さて、前回大変ご好評だったプラグ開発秘話ですが、いよいよ佳境にはいります。

 技術に詳しい方は、UCP以上に高性能なプラグなんて出来るのだろうか? と、懐疑的かも知れません。

 
普通の発想で行けば不可能です。

◆ ブレークスルーの鍵は「異種素材を複合する技術」です。

 今回の製品には、「高純度短結晶化無酸素銅」と言う、極めて特殊な素材を採用しています。

 日本製の「高純度無酸素銅」を特殊な熱処理で、銅の結晶を長い状態にしたものです。分子の境界が少なくなるので、歪みや抵抗が少なくなる特殊な素材ですが、製造が困難なため、市販はされていません。その、特殊な素材をホットピンに採用したのです。

 はい、ここで技術に詳しい方は、ご指摘されるでしょう。

   
「本物の無酸素銅は、軟らかいので加工が出来ないはずだ!」

 ここでも日本の最先端技術が活躍して、難加工素材に立ち向かったのです。

 レーシングカーの部品などに使われる「冷間鍛造」加工を応用し、銅の塊を端子の形に整形しました。加工によって生じた加工ストレスは、DCT処理(液体クライオ処理)によって取り除かれ、特殊な高純度貴金属がコーティングされます。

 いかがでしょうか?

◆ たかがRCAのピン1本にみられる「究極のこだわり」

 たかがRCAのピンに、最先端の工業技術をふんだんに取り入れて製造しているのです。

 長年不可能と言われ続けていた、ホットピンの無酸素銅化に、異種分野の技術をいくつも取り入れることで成功させたのです。これはAETが、宇宙開発から防衛分野の技術や、レーシングカー分野の開発に携わっているから実現した、画期的な技術なのです。

 それを支えるブランケットにも技術革新があります。信号の流れる接点部分と、強度が必要なフレーム部分を分離して、異種素材を採用しました。

 
接点部には、PSE320などにも採用されている、ハイテク銅合金を採用しています。

 これは、有害なカドミウムや鉛を使わないのですが、高い導電性と強度を両立させています。接点向けに調整されていますので、バネ性も良好で、長期間安定した保持圧を保ちます。こちらにもDCT処理を施して、高純度貴金属をコーティングしています。

 次にフレーム部分ですが、こちらは強度が求められる部分ですので、国産の工業用の銅合金を採用しています。

 
有害なカドミウムと鉛を排除したROSH対応合金で、鉄と同じくらいの強度の頑丈な素材です。大口径の丸棒から、CNCマシンによって、切削されますので、非常に頑丈で美しい仕上がりです。

 最後に、美しい光沢仕上げのアルミ製のスリーブを装着しています。

 勿論、国内のアナダイズド加工業者に依頼した、美しいメタリックブルーです。ヨーロッパの高級車を彷彿とさせる美しい仕上がりです。

 外形はDIN規格に対応すべく、14mm以下に抑えてありますので、殆どの機器に装着可能で、大型RCAプラグ特有の心配がありません。

 「これ以上の進歩は不可能」と、断言されたRCAプラグですが、技術者の飽くなき追及によって、実現することが出来ました。

 
更なる進化を遂げた最強RCAプラグは、AET社の新型のラインケーブル全機種に正式採用が決まりました。

 更なる進化を遂げた新型RCAプラグにご期待ください。

◆ 最後に、XLRプラグについてもご報告が御座います。

 市場には「オーディオ用」と銘打ったXLRプラグが販売されていますが、原産国は中国ですし、素材も技術も最低の製品です。

 
世界一のハイエンドケーブルに、そんなお粗末なプラグは付けられません。

 私たちは、スイスのノイトリック社の協力を得て、接点の素材やコーティングされる金属の状態を改善したスペシャルモデルを採用していました。この製品は、プロ業界でも好評で述べ15万個の販売量を誇る、業界標準XLRでした。

 しかし、私たちの追及は更なる高みを目指しました。

 実は、プロ業界で一番評価が高いのは、米国のスイッチクラフト社のXLRなのです。

 頑強なボディ、上質な接点素材、確実なコンタクト。

 全ての面で、素晴らしいのですが、「コストがノイトリックの3倍!」と言う高いハードルに躊躇していたのです。

 今回、世界最強のRCAを作ったのだから、XLRも、どうにかしないとお叱りを受けること必至です。

 半年間エージェントと交渉を続けて、ついにスイッチクラフト社製のXLRの供給を受ける事が決まりました。

 さらに、驚きはもう一つあります。

 
接点素材には、さらに導電性の高い合金を採用し、高純度貴金属をコーティングした、AETスペシャルバージョンなのです!

 技術者達の飽くなき追及は、XKRプラグにおいてもブレークスルーを実現いたしました。

 これからもAETプレミアムに、どうぞご期待ください。
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