STORY 開発秘話
- 開発秘話番外編 非公開版開発者突撃インタビュー 2
- あるオーディオ雑誌に掲載されたaetのインタビュー記事で、紙面の都合で公開出来なかった記事をWeb上で特別に公開させて頂いている開発者突撃インタビューの第二弾です。
何度も繰り返しになるのですが、太い線は音が悪い。何故かと言うと、太さに比例して磁界が発生して、電気の流れを阻害します。逆トルクなんて言い方もあり、発電機の効率を下げる深刻な現象なんですね。
ですから、アメリカのハイエンド製品なんて、巧みな方法で回避をしています。素材は良くないのですが、設計や理論の熟成度は素晴らしいですね。日本の製品は、相変わらず単線とか工夫がないですよ。
Q:それはどうしてだと思いますか?
戦後の日本文化全般にいえるのですが、「コツコツと時間をかけて技術を積み上げる経験豊かな専門技術者」のような生き方を軽視する傾向があります。それが原因で、本当のプロがなかなか育たないのです。最近は違ってきていますが、私の新卒時は体育会系の営業のステイタスが一番高かったと思います。頭を使う人材より、何も考えずに、ひたすら会社に忠誠を尽くす人材が求められたいたのです。
Q:そうかもしれませんね(笑)話はそれましたが、最近aetの活動って活発ですよね・・・
はい、その理由は「自らブレークスルーをしなくてはいけない」と思ったからです。
Q:なんですか? それは・・・
止まることがいけないと思うのです。私たちは、音楽業界で奇跡的な偉業を成し遂げ、一生安泰みたいに言われますが、それは間違いです。
先日、ものすごく有名なプロデューサーが所属事務所を解雇されましたし、止まった時点で「アーティストは死んでしまう」と思うのです。
Q:そうなんですか・・・
常に活動をして、リーダーシップを発揮しないと誰も付いて来ないのですよ。企業活動と創作活動って一緒だと思います。戦国武将に芸術的な感性に優れる人が多いのも、なんとなく解る気がします。余談なんですけど、これでも中学生のときは美術部の部長だったんですよ。ただ、数回しか部活に出なくて「幽霊部長」って呼ばれてましたが。(笑)
Q:その経験でaetのケーブルが開発されたのですね。
はい、そうです。ですが、aetのプロジェクトでは、ケーブルだけで150人くらいのエンジニアが携わっています。世間では私個人が開発していると思われていますが、到底不可能です。数百人レベルの専門化が動かないと、あんなに高度な製品は作れません。
私の立場を、あえて答えるなら「現場監督」みたいなものですね。私の事を批判する人は、「あんな物を個人が作れるわけがない!嘘つきだ!」と主張しますが、個人じゃないんですって。一人で開発していたらノーベル賞が10個もらえる大天才ですよ(笑)
Q:ははは、、それは「スーパー現場監督」ですね・・・
究極のチームワークが、究極の芸術を支えているのです。裏の話を聞くと、結構楽しいと思います。
科学も芸術も、人間に訴えるものだから、人間が大切なんだと思うのです。でも、自然とも共存しなくては傲慢だと思います。私たちは20年前からエコロジーケーブルを提唱した、世界初の環境考慮ケーブル製造企業なんですが、やはり有害な素材は音も悪いです。
Q:不思議ですねえ・・・
前に、「振動を完璧に排除したケーブルが出来たから聞いてくれ!」と、業者の人が評価を求めて来たことがありました。聞いてみると、ありえないほど癖が強くて気分が悪くなってしまうのです。
何をしているのか聞いてみたら、ケーブルの周りにタングステンやらカドミウム、鉛などの毒性物質を充填しているのですよ(これは笑えません)。その方は「重金属は重たいから振動を押さえ込むんですよ!」とか言って譲りませんでした。
Q:へえ~・・・
安全性の問題とかあるから止めるようにお話したのですが、その方は強引に販売を開始して、結局売れなくて財産をなくしたみたいですね。
Q:そう言う人はいますね・・・
自然界は相対関係ですから、柔軟で広い視野が必要だと思います。思い込みを捨てて、真摯な気持ちで探求しなくては、真実を見落とすことになりかねないと思います。
Q:それが製品にも生きているんだ・・・
そうなんです。常にそうあるように心がけています。もちろんaetの製品は、相対主義に基づく思想で設計されています。
Q:何ですかそれは?・・・
旧来の製品は「純度○○%だから素晴らしい!」と、主張していますが、これは絶対主義です。「製品の状態が全てを支配するんだ」という考えです。しかしaetの製品は、単体の状態を重視しないで、機材と組み合わせた場合の関係性を重視して設計しています。
Q:え・・・
平たく言うと「相性」ですね。
機材には機材の特性があります。もっと追求すれば、空気を伝わり脳まで届く間には、複数の要素があります。それらの要素を踏まえたうえで設計しているので、実際に使って頂くと、いかなる状況下に置いても「感動」や「再現性」の飛躍的な向上を感じていただけると思います。
Q:それが「圧倒的な差」の秘密なのですね・・・
それだけではありません。現在では認知科学の分野まで入り込んで製品開発をしています。音は耳で聞いているのではなく、脳が聞いているのです。この部分をより研究することにより、よりすばらしい「感動的な音」を再現出来ると考えています。
Q:面白いですね・・・
私も科学が音楽に役立つなんて、想像すらしていませんでした。