STORY 開発秘話
- ギターシールド開発秘話1
- ◆ なぜ、良いシールドは無いのか?
10年以上も前、HHシリーズが定番で流れていた頃の話です。
きっかけは、「良い楽器はあるが、良いシールドってないよね?」と言うあるミュージシャンの一言でした。
実際に数十万円、数百万円の高価なギターは存在するのですが、それにつなぐ「良いシールド」が必要とされていました。
実際には、ギターに繋ぐ数万円程度の高額なシールドは存在していました。しかし、その中身は、アメリカの工業メーカーの線で、楽器用に作られてなかったし、数千円程度の製品とクオリティ上、それほどの差は無いと言うのです。
このようなリクエストがあって、小原が調べてみた所、以前のオーディオケーブルと同じ状況だと言うことがわかりました。
「高価なモノはあっても高品質なモノはなかった」のです。
じゃあ ってことで、試しに開発してみました。この頃の小原は、電源ケーブルやラインケーブルを開発し販売していましたので、それほど「難しい」 とは考えていませんでした。(この「なめた態度」が、後にたいへんな苦労を呼び込むことになるのですが、この頃の小原は、のんきなものでした。)
◆ 試作しても、結果は「いまいち」
実際にいくつか作ってみました。「良いことは良い」のですが、「いまいち」な印象でした。「良い」けどそれほど「差」はでていない。「他の製品と比べてブレイクスルーしていない」と言う状況で、納得できるレベルではありませんでした。
小原の開発パターンとしては、「まず素材にこだわる」のですが、原価は他社の10倍等のものを使っているのに、「これはすごい!」という感じではないのです。ひいき目に見ても2倍程度で、あまり自慢できるレベルではありませんでした。
その後2年くらいずーーっと開発していたのですが、結局「これ!」と言う製品は出来ませんでした。また、この頃になると「オーディオケーブルと楽器は違うから無理なんじゃない?」と言われ始めていました。小原自身は、納得がいかなくて困っていました。
◆ 原点から見直す日々
そこで、「多くの人が思う良い楽器、良い音楽って何か?」という原点から見直して見ることにしました。
「良い音楽」と言うと、やはり「アメリカの人気ミュージシャンの音楽」が浮かびます。「良い楽器」と言えば、当時はやはり「フェンダーやギブソンの上級モデル」と言うことになるのです。
この「良いもの」の特徴をリサーチしてみると、言っている事は同じだでした。
「力強い音」「潤いのある音」「ぬけのよい音」「エフェクトのかかりのよい音」「繊細な音」、、、etc
これらの特徴は、「よいオーディオケーブルの条件」と同じなのです。
なのに、思ったのが出来ない。。。
◆ 「ビンテージ楽器の音の秘密」がついに発覚!
次に機材や楽器を調べてみました。
「よい機材」、「よい楽器」を調べてみました。そうすると「良い音」のキーパーツが銅線だということがわかりました。「ライントランス」「ピックアップ」が音にしめる割合が大きいのです。
そこでこの「ピックアップ」の部分をさらに調べてみました。「良いピックアップ」と「良くないピクアップ」では、素材は一見同じだけど、良いといわれてるのはまったく音が違うのです。さらに調査してみました。
「良い音」が出るのは「ビンテージ」と呼ばれる楽器で、1960~1970年代に作られたものが多いのです。この頃に作られたギターの特徴としては、「磁石、磁性体、導体にバージンマテリアルが使われていた」のです。
逆に評価の低いのは再生材料を使っていたことがわかってきました。これは、1980年代から、技術の進歩とコストの削減で、韓国とかメキシコで作成された再生材を使った為に起こった現象でした。
原因は、「純度・密度が低い」点にあります。その結果「力強さ」や「繊細感」が劣り、「訴求力(訴えかける力)」が無くなることがわかったのです。
◆ 実力派ギタリストから大絶賛!
そこで「ビンテージと同じ材料をつかえば」と考えて実験してみました。
当時、「ビンテージと同じ素材は、一般では手に入らない」と言われていましたが、aetは製造業のメーカーだったので、何とか入手できました。この素材で試作したモノを聞いてもらいました。
「これがビンテージの音だよ。」「これを求めていたんだ。」と言う評価を頂くことにやっと成功しました。
「力強い」「繊細さ」がある、「抜け」もよい、ばりばりとエフェクトがかかるギターシールドが出来た瞬間でした。
実力派ギタリストから大絶賛されたのは言うまでもありません。
◆ HCRライン タイプA,B ついに完成!
ハイグレードなマテリアルをもとに楽器向けの設計を独自に施した
HCRライン タイプA,B
A 中域から広域の「のび」を重視した製品です。
B 低域から中域にかけての「押し出し」「ソリッド感」重視した製品です。
2003年度秋発売 渋谷の楽器店を中心に大ヒットしました。
当時「音楽と科学は相容れない。良い音楽は感性が重要だ。科学だけでは良い音は作れない。」と考えているミュージシャンが多数を占めていました。そんなミュージシャン達に、「aetでは科学的に良い音が作れる」と評価されたのです。
その結果、それまではプロジューサーのお客様が多かったのですが、ミュージシャンのお客様が増えていきました。
それまでのギターシールドは、曲げ癖とか断線が多かったのですが、aetではその対策も行ったので、トラブルが減ったという評価もいただきました。
またaetのギターシールドでは「サウンドデザイン」を行い、特性を音響機器向けに調整してます。これにより「ミスマッチ」が起きたり、エフェクトの効果が損なわないように開発されています。
それまでは、過大なキャパシタスをかけたり、最初から音に個性を付けたりした製品が少なくありませんでした。しかし、これでは長さで特性が変わったり、機材との相性で音が変わったりしたのです。
これらの問題をすべて解決して、さらにビンテージの音のレベルを再現したのが、aetギターシールドだったのです。
次回 「あの大物プロディーサーが、小原に課題を」をお楽しみに