STORY 開発秘話

番外編コラム:FCGRギターを使ってみて

FCGRと言うブランドをご存知ですか。東京の町屋という、変わったところにあるビルダーです。日本の気候でシーズニング(材料を乾燥させたり、安定化させる工程です)するには、都内で行うのがベストとの理由で、賃料の安い所に工房と事務所を構えたそうです。

FCGRが有名な理由はいくつかありますが、私が思うに納期が凄い。フルオーダー、ハンドメイドという徹底振りですが、約一年はかかるのです。最近は短くなったとか言ってますが、それでも半年はかかります。一年の納期と言ったら、バーキン並みです。とにかく深野社長は徹底したコダワリ人間なのです。

使っている材料は、厳選した銘木にシーズニングを重ねて、良い部分だけを切り出します。この工程だけで、他のビルダーなら100万円コースですね。それを何十日もかけて、調整しながら組んでいきます。

使われるパーツも一流品ばかりですし、配線材は独自開発の物です。ピックアップの選定も適切で、程度の良い物を選別して載せています。本当にプロが使う仕様なのです。

私が一番気に入っているのは塗装なんです。塗装専門の職人さんがいて、手で研ぎながら層を重ねて仕上げてゆきます。そのため、市販の楽器なんかと比べ物にならないほど、塗装面が滑らかで、薄いのです。塗装面が音の「鳴り」に大きな影響を与えるので、FCGRの塗装は非常なアドバンテージだと思います。

本当にフェラーリのボディみたいに美しいのです。フェラーリの塗装が何故高いかと言えば、仕上げる職人さんの工賃なんですね。ボディのシェイプを浮き立たせるために、薄く吹いては研いで、また乗せる工程を繰り返すので、皮膜はH社よりも薄いのです。

私は仕事を超えて、趣味のお願いでBMW色やフェラーリ色の特注をお願いしていますが、現場では皆から注目されます。ローディの人なんか「傷つけるのが怖くて運べません」なんてクレームまで言われちゃいます。

さて、肝心のサウンドです。私は仕事柄、名機といわれる楽器には沢山接していますが、FCGRのギターやベースは、名機のサウンドとモダン楽器の安定性を兼ね備えていると思います。そうでなければ仕事で使えません。その理由は

1:厳選したネック材と指板を使っているので、鳴りと安定性の両立している
2:独自のステンレスフレットを使っているので、ピッチが安定していて、サスティーンが長い
3:厳選されたピックアップがパワーとヌケを両立させている。

と言った感じに思います。

私はベースとギターを両方とも使っていますが、クオリティは100万クラスの楽器そのものです。高級楽器特有の存在感と言いますか、心への浸透力が違います。精度の高い指板は、指の運びが滑らかで、上手くなったように感じるほどです。

ノイズに関しても、「検討していない」と言っていますが、他社の物よりも少なく感じます。私はジャズベ型、とストラト型を使っていますが、デッドポイントは感じません。ハーモニクスは全部出ます。組みつけ精度が良いので、楽器特有の欠点が殆ど感じないのです。

また、シングル型のピックアップを使っていますが、パワーとヌケの両方が楽しめます。コダワリ社長ゆえ、納期の長さはありますが、安定していて、適切価格で、品質も良い楽器を手に入れようと思ったら至難の技です。本物志向の方にお勧めするブランドだと思います。



このページでFCGR様をFGCRと間違って表記していました。大変失礼しました。ご迷惑をおかけした関係者の方々に深くお詫びすると共に、ご指摘いただいた方に感謝申し上げます。

▲ページトップへ戻る